日野技研のあゆみ

日野技研創業前史

当社社長の𠮷本弘は、元々は重機を取り扱う企業に勤務していました。
当時はゴルフ場の建設ラッシュや高速道路の延伸などが重なり、建設業が非常に忙しい時代。建設現場には重機が置きっぱなし、従業員は泊まり込みで工事をしているのが当たり前の状況です。
𠮷本はそのような現場に呼ばれ、重機の修理やメンテナンスの業務を請け負っていました。現場に行ったところで知識を持っていなければ、まともに業務をこなすのは困難です。業務を遂行するためエンジンや油圧の仕組み、オイル・グリスの種類を実践で学び、知識として蓄積していきます。

建設現場では、環境や温度はまったく考慮されずに用途の違うグリスが使われているケースが散見されました。そこで、適切な用途となるアドバイスを地道に続けたことで、𠮷本は建設業者との信頼関係を築いていきます。

創業の経緯

当時建築現場で使われていたグリスは、それほど品質の高いものではありませんでした。アメリカの企業では品質の高いモリブデンのグリスを使っていましたが、当時の日本ではまだ一般的とはいえなかったのです。
そこにチャンスを見いだした𠮷本はモリブデンを取り扱う企業に転職、これまでの技術職とは違う営業畑に籍を置きます。
全国を行脚するうち、潤滑油業界の方々とのネットワークが構築されていきます。
そこで「製品はあっても大量に充填できる設備を持つ企業がないため、使いたいときに使えない」という話を耳にしました。

「お客さまのご要望に合わせたものが充填できる設備を整えれば、これまでになかったグリスやオイルの市場を掘り起こして、お客さまのお役に立てるのでは」
そう考えた𠮷本は、近隣の機械業者と協力してグリス充填機を製作、1986年に現在地でグリス充填事業をはじめます。これが日野技研の第一歩となりました。

創業当初から現代までの変遷

創業当初は手探り状態であったため、充填の仕事は思うように受注できず、物販もしながら取り組む日々。
少しでも充填の仕事が受注できるのがありがたく「お客さまのご要望は何でもかなえます」という気持ちから、休日返上で試行錯誤しながら業務に取り組みます。
「この用途ならば、他のグリスやオイルの方が適しているのではないか」「製品の粘度を調整すれば、もっとスムーズに機械が動くのではないか」といったケースを数多く見てきた経験から、ベースとなる製品にオーダー通りの配合を施し、お客さまの用途や環境に合わせた新たな充填品の提案を開始。

さらに、需要増に合わせて充填機も拡充して工場を拡大し、物流や倉庫もグループ会社で請け負うことで、製造から物流までの一元化も実現。
現在では、関西だけではなく関東にも製造拠点を開設し、お客さまのご要望にすばやく応えられるような企業体制を整えました。

感謝

知識やスキルが不足する当社に対し、厳しいご意見ご指導をいただいた現場の方々、苦しい時期に商品手配のついでに充填を発注してくれたお客さま、無理難題にも答えてくれた従業員たちのおかげで、現在まで仕事を続けることができていると実感しております。

これからも皆さまからいただいたご恩にお応えするため「日野に任せれば何でも対応してくれる」という創業時の気持ちを忘れずに、日々精進していきたい所存です。